自分の感受性くらい

金八先生で、茨木のりこさんの詩を知ってから、眠る前に出来るだけ詩を読んでから眠るようにしている。この本のタイトルは「自分の感受性くらい」。時にはズシッときて眠れなくなるときもある。


自分の感受性くらい

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ